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のれんの生地は何を選ぶべきか?

のれんの生地は何を選ぶべきか

2024年01月28日

「のれんを作りたいけれど生地の種類がたくさんあって迷ってしまう。何を基準に選べば良いの?」と悩んでいませんか。

生地毎に見た目や質感の特徴があるため、どの生地を選ぶかによって、設置した時の雰囲気が変わります。そんな重要なものをweb上の写真だけで選ぶのは、ハードルが高いですよね。

『のれんの生地を決めかねている方のお役に立ちたい』と思い、本記事を執筆しています。

この記事を読めば、以下のことが分かります。
●それぞれの生地が持つ特徴
●それぞれの生地が向いていない場所やシーン
●生地の選び方
●当店の○○を利用すれば、もう迷わない

年間3,000枚以上の暖簾を製作しており、数々のご相談にも対応しています。これまでの知見を活かした内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

記事を書いた人
福本のプロフィール
2005年にハクロマーク製作所へ入社。製造現場で7年、のぼり旗やのれんの製作に携わる。現在はオーダーのれんドットコムの店長として、お客様対応や問い合わせへの回答、在庫管理まで幅広い領域を担当。

生地の種類と特徴


オーダーのれんドットコムでは、暖簾に相応しい9つの生地を用意しています。ここからは写真を交えながら、それぞれの生地の特徴を解説します。


■バンテン


バンテン生地のアップ
バンテン生地で製作した暖簾

やはり暖簾と聞くと、和風のイメージをされる方が多いでしょう。昔ながらの綿生地に近い風合いを求める方には、こちらのバンテンがお勧め。柔らかい生地なので、綿生地よりもはるかに扱いやすいです。

綿に近い質感ですが、和の店舗以外で使っても違和感がありません。その汎用性の高さこそ、バンテンの大きな特徴と言えます。実際9種類の中で、最もよく出ているのがバンテンです。暖簾を初めて作る方の中で「どうしても決めきれない」と悩んでいたら、バンテンを選びましょう。間違いはありません。

※こんな方には向かない
基本的にはどんな方にもお勧めできるのですが、強いて言えば真っ白の暖簾が作りたい方には向きません。というのも生地自体がわずかにアイボリーがかっているからです。真っ白の布を横に並べない限りは分からない程度なので、そこまで気にする必要はありませんが、とにかく清潔感をという方は、別の生地が良いでしょう。


■帆布(はんぷ)


帆布生地のアップ
帆布の暖簾

帆布は柔道着やエコバッグに使われているため、名前くらいは聞かれたことがあると思います。それらは綿の帆布で作られているのですが、その綿帆布に似せて開発した生地が、当店で使用するポリエステルの帆布です。実際に触っても、その違いはほとんど分からないほど精巧に作られています。

当店が扱う生地の中で2番目に分厚いため、和風のしっかりとした素材で、丈夫なのれんを作りたいなら、帆布がお勧めです

※こんな場所には向かない
お客様が通る場所に設置するなら、バンテンの方がお勧めです。というのも、帆布は生地がパリッとしていて固く、バンテンの方が手触りが良いからです。キッチンカーや展示会のブース装飾、高い位置に付けるのれん等、触れないところならば気にする必要はないでしょう。


■麻風スラブ



麻風スラブの暖簾

スラブというのは、糸の長さや太さが違うものを不規則に編み込んだもののこと。写真の通り、糸の色や太さが1本1本違うため、この世に二つと同じものはありません。

網目が大きく、透け感がありますので、麻の清涼感や高級感がお好みの方には、是非ともお勧めしたい生地です

※こんな時には向かない
ざっくりとした粗い目が特徴ですが、その分細かい柄は再現しにくいです。デザインに細かい柄や小さな文字が入っている場合は、あまりお勧めできません。また目が粗い分透けてしまうので、間仕切りとして使う暖簾には適していません。

【教えて!Q&A】
麻風スラブってどんな生地ですか?


■麻風生平(きびら)


麻風生平のアップ
麻風生平で製作した暖簾

麻風スラブと同じく、麻系の生地。しかし大きく違うのは目が詰まっていることです。麻のような素材感・見た目で、絵柄の再現度を上げることができるのが麻風生平とお考えください。

「麻系の素材が良いけれど、文字が潰れるのは困る」とお悩みなら、もってこいの生地です。どちらかというと麻風スラブよりも、麻風生平の方がよく選ばれています。

※こんな方には向かない
目が詰まっていることもあり、麻に近いのは麻風スラブの方です。麻の透け感や清涼感を求めている方は麻風スラブの方がお勧めです。麻風生平と麻風スラブは、共に白色には染められませんので、ご注意ください。

【関連記事】
麻風スラブのライバル?麻風生平を紹介します


■オニちりめん


オニちりめんの生地アップ
オニちりめんで製作した暖簾

絹を平織りにして作った織物をちりめんと呼びます。そのちりめんに似せて作った生地が、オニちりめん(鬼縮緬)です。オニちりめんの最大の特徴は、シボと呼ばれる『縮れ』。この縮れがあることで、まるで絹織物のような手触りになります。

和の雰囲気だけでなく、高級感も併せ持っているため、和菓子屋さんでよく使われています。和風で、かつ少し変わった風合いの素材をお探しでしたら、オニちりめんがピッタリです

※こんな時には向かない
もしデザインに写真が入っているなら、別の生地がお勧めです。というのもオニちりめんは、生地の表面が少しデコボコしているからです。印刷は可能ですが、鮮明に印刷したい場合はエステル葛城や撥水クロスを選びましょう。また良くも悪くも和風感が強いので、外観が洋風のお店にはあまり合いません。


■厚手スラブ


厚手スラブ生地のアップ
厚手スラブで製作したのれん

肉厚のぼってりとした生地の上を、ランダムに紡ぎが走っています。この紡ぎこそ、厚手スラブ最大の特徴。紡ぎのお蔭でのれんに奥行が出て、立体感が生まれます。

他社ではあまり扱っていないため、差別化にももってこい。その重厚感と趣のある雰囲気が好評で、バンテンと一二を争う売れ筋生地です。他とは違った個性と高級感を併せ持った厚手スラブは、全てのお客様にお勧めです

※こんな時に向かない
夏だけの期間限定オープンなら、厚手スラブ以外が良いでしょう。当店で最も厚手の生地なだけに、重厚感や圧迫感があります。涼しげな雰囲気を演出したいなら、麻風スラブがお勧めです。

【関連記事】
厚手スラブ〜高級感あふれるのれんを作るなら〜


■撥水クロス


撥水クロス生地のアップ
撥水クロスで製作した暖簾

ツルっとした質感で、わずかに光沢がある撥水クロス。見た目は、特に癖のない標準的な生地ですが、最大の特徴は予め撥水加工が施されていることです。通常は撥水加工をするのに追加で6営業日かかりますが、撥水クロスの場合はその必要がありません。

撥水加工を施すことで、水や汚れを弾くため、飲食店で大変人気です。他の生地でも撥水加工は可能ですが、余分に納期や費用が掛かります。撥水加工がされた暖簾を出来るだけ早く欲しいという方は、間違いなく撥水クロスが良いでしょう

※こんな方には向かない
生地はパリッとしており、ポリエステル感が強いです。綿の風合いは薄いので、和風の雰囲気を求めているなら、バンテンや厚手スラブの方が良いでしょう。なお、撥水クロスに防炎加工を施すことはできませんので、ご注意ください。


■エステル葛城(かつらぎ)


エステル葛城のアップ
エステル葛城で製作した暖簾

見た目や質感は撥水クロスと似ていて、ツルっとしています。生地は柔らかく伸縮性に優れているため、シワになりにくいのも特徴です。

ラインナップの中では、最も安価に製作できる生地。かといって薄すぎることはありませんし、発色も良いです。出来るだけ金額を抑えたい方にお勧めしたいスタンダードな生地です

※こんな時に向かない
良くも悪くも癖がないため、差別化には向いていません。他とは違った雰囲気を作りたいなら、表面に動きのある厚手スラブや麻風スラブがお勧めです。


■ポリデニム


ポリデニム生地のアップ
ポリデニムで製作したのれん

お客様より「デニムに近い生地はありますか?」というご相談から、2023年に登場したポリデニム。昇華転写捺染という印刷方法を活かし、デニム感はそのままに、繊細なデザインを再現できると好評です。

デニムのように、経年変化で風合いが変わっていくのが最大の魅力。どの生地を選んでも色褪せは避けられませんが、ポリデニムであればその変化を味として楽しめます。「一度作った暖簾と長くを共にしたい」「せっかく作るなら、他とは違った雰囲気が良い」とお考えなら、ポリデニムが一番でしょう

※こんな方には向かない
どちらかというとカジュアルな雰囲気に仕上がります。そのため高級路線、格式高いブランディングをしたい方には不向きです。逆に親しみやすさはどの生地にも負けませんので、カフェや古着屋、ジーンズショップにはピッタリです。

【関連記事】
デニムのれんで店舗に個性を。味わい深いデニムに育てよう


のれん生地の選び方


それぞれの特徴をご紹介しましたが「実際どう選べば良いの?」と更に迷いが生じているかもしれません。生地選びで悩んでいる方のために、お勧めしている選び方を3つご紹介します。


お店の雰囲気(コンセプト)で決める


それぞれ不向きな場所や使い方を紹介してきましたが、業種によって人気の生地が存在します。人気ということは、それだけ選ばれる理由がありますから、失敗しづらい選択ができるでしょう。

例)
寿司屋・料亭・旅館⇒『厚手スラブ』
飲食店⇒『撥水クロス』

これは300件以上の実績から調査した結果です。以下のQ&Aで詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。


予算で決める


お店をオープンする際、何かとお金が掛かります。店舗の完成間近に用意される方が多いので「なるべくお金を掛けたくない」という悩みも聞きます。

そこで価格で生地を決めるのも選択肢の一つです

参考までに、製作費の一例をご紹介します。

のれんの生地別価格表

大きく変わるわけではありませんが、判断材料の一つとしては十分でしょう。

専用のお見積りフォームで、希望サイズを入力し、生地を選ぶと、自動で金額が表示されます。わざわざ問い合わせる必要はありませんので、ぜひご利用ください。




目で見て触って決める


のれんは、お店が順調な時もそうでない時も、これから苦楽を共にしていく仲間です。そういう意味では、あなたが愛着を持てるかどうかも非常に重要な要素。

そのため、シンプルに好みや直感で選ぶのも良いでしょう。個人的にはこれが一番大切だと思っています。

しかし自分が気に入るかどうかは、実際に見てみないと分かりませんよね。そこでオーダーのれんドットコムでは、9種類の生地を一冊に綴じた見本帳をご用意しています。

形のないものだからこそ、安心してお任せいただきたいという想いから、無料でご提供しています。
のれんの生地見本帳

手にとって見ていただくと、運命的な出会いがあるはずです。返却の必要はありませんので、どうぞお気軽にご請求ください。




まとめ|暖簾の生地


本記事では、当社で扱うのれん生地の特徴と、選び方をご紹介しました。お気に入りの生地は見つかりましたか?

のれんはこれから長くを共にするパートナーですから、生地選びには時間をかけて欲しいと思います。後悔を残さない為にも、是非生地見本帳をご利用ください。

ご注文前であっても、ご相談を受け付けております。「こんな場所で使うんだけど、どの生地が良い?」などなど、写真と共にお気軽にお問い合わせください。
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プロフィール
管理者:オーダーのれんドットコム店長@福本

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株式会社ハクロマーク製作所に勤務して18年。オーダーのれんドットコムの窓口業務の前は7年間、のぼりやのれん、旗などの製造に携わっていました。その経験や知識を活かし、現場出身ならではのわかりやすい説明と迅速な対応で、お客様が安心してご注文できるようナビゲートいたします。
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