教えて!Q&A

のれんに撥水(防水)加工はできますか?

はい、出来ますのでご安心ください。
ちなみに、のれんの場合は水をはじく撥水加工になります。防水は水を通さなくする加工で、作業着などが対象です。


撥水加工はご覧の通り、生地に付着した水を球状にしてはじかせることで生地がビショビショになることを防ぎます。
別途費用はかかりますが、是非ともお勧めしたいオプションです。
 

のれんに撥水加工を勧める理由

撥水加工のメリットは、生地がビショビショになることを防ぐだけではありません。

改めて、なぜのれんに撥水加工がお勧めなのかというと、

  • 1)水を弾く
  • 2)それによって汚れが付きにくい(汚れも弾く)
  • 3)水が染みこまないことで色褪せを防ぎ長持ちする
    などのメリットがあるからです。

2)の防汚効果に関しましては、検査機関による試験結果があります。

下の写真は、撥水加工した生地(右)と、していない生地(左)にそれぞれ水溶性の液を垂らしてどれだけ汚れ具合が違うかを見たものです。
のれん撥水加工検査機関 一般財団法人ニッセンケン品質評価センターの品質検査報告書より

ご覧の通り、撥水加工のありなしによって汚れの付き方が全く違うのが分かります。
のれんを出来るだけ長く綺麗に使いたい方には是非ともお勧めの加工です。

以下は「撥水加工していない生地」と「撥水加工をした生地」に水をかけた実験です。

撥水加工をしていない生地に水をかけた動画

撥水加工をした生地に水をかけた動画


撥水の原理

撥水の仕組み及び方法について端的に説明すると・・・
生地に付着した水滴や雨水が玉状になってコロコロと流れ落ちるためには、のれんの生地が水分子を引き寄せる力を下げる必要があります。

そこで染色加工後、他の分子を引き寄せる分子間力が極めて弱いフッ素系やシリコン系の加工剤を生地表面に被覆させます(方法はドブ漬けです)。

すると生地表面に「撥水基(はっすいき)」と呼ばれる分子レベルの細かい突起物が作られ水滴をはじく仕組みです。

撥水基は目に見えないものですが細かい産毛のように立ち並んでいる状態で、水滴は水の持つ表面張力が勝り、玉状になって流れ落ちていきます。

逆に、汚れが付着したり生地同士が摩擦を受けたりすることによって撥水基が倒れていくと撥水効果が弱くなっていきます。

【引用元】”生地屋“の機能性解説 ~撥水(はっ水)素材とは?防水素材との違い~
https://masuda-tx-ap.co.jp/column/hassui
 

撥水性能はどれくらいもつか

通常、JIS L 1092に規定されている洗濯処理を3回行った後、撥水度試験で2級以上の結果が出なければ撥水の明記ができません(家庭用品品質表示法で規定)。
※撥水度試験(スプレー試験)とは?
試験片となる生地を45℃に傾けた状態で器具に設置し、250mlの水を30秒間、シャワーのように散布します。軽く水滴を落とした後、目視で湿潤(しつじゅん)状態を比較します。

これは、撥水と謳われているものなら最低でも3回の洗濯では撥水性能はなくならないことを意味します。

ただ実態はもっと持ちます。

弊社の実験では8回の洗濯まで、水は球状になってポロポロこぼれ落ちました。
その後はだんだんと弾かなくなり、そのうち、上の「撥水加工をしていない生地に水をかけた動画」のように生地がベチョベチョと濡れてしまうようになりました。
 

「撥水効果」はアイロンで復活する?!

先の「撥水の原理」のところで、

汚れが付着したり生地同士が摩擦を受けたりすることによって撥水基が倒れていくと撥水効果が弱くなっていきます。

と書きました。

のれんが雨に濡れても恐らく洗濯しない人がほとんどだと思います。ただそれがずっと続くと、雨水に含まれる汚れによって撥水効果が弱くなっていきますので、時々洗濯をしてください。頻繁にする必要はありません。それでは上述した通り、かえって撥水寿命を縮めてしまいます。

洗濯する際の注意点としては、なるべく生地へのダメージが少ないように優しい手洗いか、洗濯機を使う場合は生地同士の摩擦で傷がつかないよう洗濯ネットに入れてください。

洗剤が残っていると生地の織り目を塞ぐことになり、透湿性に影響が出ますので、しっかりとすすぐことも大切です。
しっかりと汚れを落とした後は、紫外線で生地が痛まないように陰干しして乾かしましょう。

そしてここからが最重要ポイント!

乾燥させた後、必ず低温でアイロンをかけるかドライヤーで温風を当ててください

と言うのも、この熱が撥水基を復活させるからです。熱を加えることで撥水基が起き上がり、撥水性能が回復します。

この洗濯とアイロンによる撥水性能の復活は20回くらいまでなら効果がありますのでぜひお試しください。

【引用元】”生地屋“の機能性解説 ~撥水(はっ水)素材とは?防水素材との違い~
https://masuda-tx-ap.co.jp/column/hassui

 

撥水加工の注文方法

撥水加工のオプションは、ご注文フォームの「防炎加工・撥水加工」の項目のところで選ぶことができます。
「する」「撥水加工」をお選び下さい。
ご注文フォームでは、生地やサイズ、オプションなど必要事項をご入力いただければ、すぐにお値段が出ますので是非ご利用ください。
https://www.hakuromarkss.jp/product_form/noren/spec

このご質問は役に立ちましたか?

1234567890

1234567890

1234567890