飲食店を始め、街中には様々な暖簾を見かけます。
暖簾がかかっているお店に入る時はどうされますか?
そう、暖簾をくぐります。
当たり前に行っている動作ですが、正しい所作があるのをご存知でしょうか。
今回は『暖簾をくぐる』という言葉にフォーカスし、その背後にある意味と適切なくぐり方をご紹介します。
意味を理解した上で行うと、また違った景色が見えるかもしれませんよ。最後まで読んで、暖簾マイスターを目指しましょう。
暖簾をくぐるとは
暖簾をくぐるとは、一般に「掛かっている暖簾をかき分けて通る行為」を指しているように思われています。

しかし、実は上の写真のような、暖簾をかき分ける行為そのものを指しているわけではありません。
暖簾は飲食店などお店の入口に掛けられていることが多いので、暖簾をくぐるというのは、【お店に入る・敷居をまたぐ】といった意味合いもあります。
『お店側はお客様を大切に迎え入れ、お客様はそのお店の雰囲気やルールを尊重する』という、見えない約束が交わされているのです。謙虚で協調性のある日本人らしい文化・習慣ですよね。
あまり深く考えずにくぐっていた暖簾が、少し趣深いものになります。
暖簾をくぐるの例文
せっかくですから『暖簾をくぐる』を使った簡単な例文を2つご紹介します。
・おばあちゃんの店の暖簾をくぐるたびに、子供の頃の思い出が蘇る。
・彼女は緊張しながらも、その有名な料理店の暖簾をくぐり、新しい味と文化に触れた。
どちらもお店の敷地や中に入ることを『暖簾をくぐる』と表現しています。
【歴史の豆知識】暖簾の汚れは「繁盛の証」だった?
なぜ暖簾がこれほど大切に扱われるのか、江戸時代の面白い習慣から紐解きます。
昔の客は暖簾で手を拭いていた?
江戸時代の屋台などでは、食後に指についた汚れを暖簾でサッと拭いて帰るのが一般的でした。

暖簾が汚れているということは、それだけ多くの人が手を触れた、つまり「大人気店である」という証拠。現代でも「暖簾を守る」という言葉に重みがあるのは、こうした歴史の名残です。
暖簾のくぐり方
今日から使える、暖簾の正しいくぐり方をご紹介します。
のれんを店内に向けて押し広げる

顔や頭にのれんが当たらないように、手で軽く押し広げます。ここがポイントなのですが『これからも沢山の訪問者が来るように』という想いを込めて、お店の中に向かって広げます。
頭を軽く下げて入る

のれんをくぐる際は少し頭を下げて、店内に入りましょう。大げさにかがむ必要はありませんが、軽く身をかがめることで敬意を表します。
【マナー】くぐってはいけない「暖簾のサイン」
これを知らないと恥をかいてしまうかもしれない、大切なルールです。
暖簾は「営業中」のメッセージボード
暖簾がかかっているのは「営業しています」という合図です。逆に、以下のような状態のときは入店を控えましょう。
- 暖簾が店内に片付けられている
- 暖簾の端が棒に巻き上げられている(めくれている)
これらは「準備中」や「本日終了」のサイン。無理にくぐらず、次回の楽しみに取っておくのが大人のマナーです。
まとめ:暖簾をくぐる
本記事では『暖簾をくぐる』が持つ意味合いや使い方、具体的な方法をご紹介しました。
何気なくくぐっていた暖簾ですが、今日からは少し違った気分になりそうですね。これからは、お店の繁盛を願いながら、暖簾をくぐってみてください。
のれん文化がもっともっと日本に広がりますように。



